第2章 残酷
「私は義勇に従う」
空っぽの私は、義勇に従うことしかできない。
「知っている」
空っぽの私は、それでしか拙い愛を伝えることしかできないから。
「お前も隊律違反を犯したことなる」
「なら、これから鬼を殺す?」
これは、とても意地悪な質問だ。
だって、
「いや」
義勇の答えが変わらないのを私は知っているのだから。
「申し訳ないと思ってるの?」
義勇の顔を見て、尋ねる。
「ああ」
それでも、この行動が正しいと義勇は信じている。
なら、私も信じた義勇を信じるだけだ。
それでも、
「申し訳ないと思ってるなら──」
「なんだ」
「羽織りの中に入れて」
雪山は、寒い。
呼吸で基礎代謝をあげているとはいえ、寒い。
返答を待たず、義勇にもたれかかり、羽織りの中に入る。
背中から伝わる体温が暖かい。
「あったかいね」
「……お前は、よくわからない」
「義勇よりも、わかりやすいと思うんだけど」
二人の体温で暖を取りながら、そんな話をしていた。