第7章 ヤナギ(??前提レオナ)
私には好きな人がいる。
優しくて、温かくて、時々幼い顔をする……。
でも、叶わない恋だったかもしれない。
真っ暗な部屋で目を覚ます。
また泣きそうになるのをなんとか耐えて、目を擦った。
一昨日はとうとう涙が止まらなくて、目が真っ赤に腫れてしまい、かなりいろんな人達に心配をかけてしまった。
まだ深夜らしい。
日付がかわってすぐの新しい1日のにおいは、嫌いじゃない。
窓の枠が鳥籠のように思えてしまう。
囚われた時から逃げ道を失い、やがて徐々に追い込まれていく。
そんな虚無感を外には出さないように、着替えと共に部屋に置いてくる。
おはよう、と同級生たちが明るく挨拶してくれる。
私もそれに負けずに返し、朝御飯を取るために列に並んだ。
ちらっと先輩たちのテーブルを見ると、優雅に食事をするそのひとが見えた。
はあ、とため息をつく。
そして、目の前に、現れる、
「よぉ、るる」
「レオナさん……」
綺麗な長い髪が私の頬にかかる。
ぞわっとこの前のことが思い出された。
──君には、ブロットを軽減させる力がある──
先日、学園長から急に呼び出され、そう告げられた。
特別室を宛がわれ、オーバーブロットしないように対策委員を作られる。
私はそこの主要人物とされた。
学園長から直々に指示をうけるか、生徒本人から要望があれば、特別室で処置をしなくてはならない。
確かに格段と事故は減ったように思えたが、ただ一人、私はその犠牲者となった。