第1章 序章
「師匠、これは成功ですよ!」
「今回はきっと上手くいきますよ」
「やった!やっと上手く出来た!さすが師匠!」
失敗しても慕ってくれる弟子達。いつもついてきてくれた、大切な弟子達。なのに、どうして……。
「…………皆、死んでいった。私を置いていった」
皆おじいさんになってしまって、終いには死んだ。
そして、皆最期はこう言う。
「師匠みたいにずっと若いままでいれば……師匠のそばにいられるのに……」
人間は皆歳をとって死んでいく。なのに私は?私はヴァンパイア。18歳で成長を止めて、永遠を生きている。
容姿の変わらない私を訝しむ人達。私はそっと姿を消して誰も知らない場所に隠れ住むようになった。
相変わらず錬金術は続けてる。それが私の生きてる理由だから。弟子はもう取らない。別れが寂しくなるから。
いつしか死にたいと思うようになった。ヴァンパイアはどうやって死ねるのだろう、試してみようかな、なんて思い始めた頃だった。
「君が……ニコラ・フラメル、かな?」
「……………………貴方は、誰?」
目の前に現れたのは黄金色の瞳をした美しい男性だった。