第2章 #2
「いや…清楚の面影もあらへんな」
満足そうに言い放ち名前の髪をかき上げた。
『あっあァ…ん…イイ…』
控えめに声を上げる彼女へ財前は携帯を向ける。
『ぇ…っ』
「気にせんと続けてください。誰に見せたりする訳でもなきんで」
『やっやだぁ…!』
脱ぎ掛けの衣服を集める名前の恥じらう姿も愛しかった。
「これムービーすから隠しても無駄」
『そんな…』
「俺が後で一人で見たいだけ…一緒に見てくれてもええんですけど」
『…財前くんのなら見たい…』
自分が写真に残す意味が分かるのだろうか。
「先輩が付き合ってくれたらいつでも相手したりますけど?」
どうすか、と言っておきながら返事は待たず口付けた。
器用な指先で彼女の全身を翻弄していく。快感の虜になるように。
自分から離れなくなるように。
『あ、んっ…も…無理』
腕の中で何度も果てているだろう名前の中からは絶えず液体が溢れていた。
「ほんまにベッド汚してんな…」
後処理が面倒だと思ったが満更でもない。むしろ洗わずここで寝続けるのもいいと思った。
『ンン…上手…』
「なにが」
『上手い下手あるんでしょ?こういうの…』
誰と比べてだ、と言いかけたがぐっと堪えるがそういう意味でないらしい。
「俺と先輩の相性がええんです…俺も先輩が気持ちええとこ好きっすよ」
ポーカーフェイスでありつつも汗を滲ませる財前は艶やかだった。
「…ほんとに俺が好きって目やね」
昂りと同時に早くなる律動。
「く…っ」
耐えられず避妊具が破れそうに思えるほど欲望を吐き出した。
「う…ハァ…さすがに動けへん…限界や」
すぐにスキンを抜き取りティッシュに丸めたはいいが、そこから微動だにできない。自分を焦らし続けた代償だ。
『信じてくれた?私の気持ち』
「…」