第3章 Sakurai.
翔くんは私の手を握り、
真っ直ぐ目を見つめた
ドキドキ高鳴る心臓がうるさくって、
だけど翔くんに握られていて、
熱くなるし益々ドキドキする
「愛里ちゃんが好きだよ」
ニコッと微笑む彼よりも、
優しく言ったその言葉に
私の視界が滲んできて。
頬に涙が伝った。
「....しょ...う....くっ...それっ....」
「ごめんね、なんか恥ずかしくて
遅くて本当にごめん」
遅くなんかない。
私はフラれる覚悟で来たんだ
こんな、奇跡が起こるだなんて....。
「で、愛里ちゃんの話って?」
「・・・(雰囲気ぶち壊す気か)」
君が楽屋に来てくれたこと
それは俺にとってとてつもなく嬉しくて
収録終わったのになんかスタンバッて。
カッコイイ俺を君に見せたくて、
だけどいつも君は言う
そんな翔くん素敵だと思う!
楽屋訪問がどれだけ緊張するか
まだ君には伝わらないのだろう
(アメリカ、俺も行こっかなぁ)
(ダメだよ。仕事とかどうするの?)
(...ちぇっ)
(いい雰囲気のとこすいませんね、失礼)
(愛里ちゃん俺と飯食いに行こう!)
(いや、俺と行こうぜ)
(馬鹿だな。私と行くんです)
(みんなで行こう)
(....ちっ、リーダーめ)
(俺の彼女ーーっ!!!!)
翔くんを困らせたい一味。