第24章 束の間の休息
そして、翌日……
信玄様は戦の後処理を手早く済ませ、早々に甲斐を発つことを皆に伝えた。
本当はゆっくり今後の甲斐のことを、考えたいところだろうけど……
優秀な家臣たちが合議制でやっていくから問題ないと、信玄様は笑っていた。
謙信様と幸村には、これから説明しなきゃいけないことがいっぱいあるし
そのためにも–––信玄様と佐助くんは、春日山城へ立ち寄ってから本能寺へ向かうことを決めた。
私も表向きは武田の人質として、信玄様に同行することになり、織田軍のみんなのところに、別れの挨拶をしに行くことにした。
「みんな、お世話になりました。今までありがとう」
信長様、政宗、家康に、深々と頭を下げる。
「辛気臭い顔するな。この甲斐は武田と織田の共同統治になったんだ。お前の顔が見たくなったら、いつでもここに来ればいいってことだろ」
「そっか…そうだよね」
政宗の笑顔に私も笑って答える