第23章 最後の戦い
「……文は書きません…!」
震える声を抑えながら答えると
「それが答えか?それなりの覚悟ができていると言うことか…
魔王の寵愛をうけ、虎をも操り…地獄の鬼までをも喰らうか…傾国の姫よ…」
顕如の冷めた顔が近づく
『今は、これだけだ。帰って来たら、続きをしよう』
そう言って、髪を撫でた信玄様の笑顔が脳裏に浮かんだ
約束守らなきゃ…!
信玄様と未来へ、これから先一緒に生きてゆくためなら…
どんなことだって耐えてみせる
目の奥が熱くなって、今にも涙が溢れ出しそうになった
「…文は絶対に書きません!信玄様のために、何をされても心が折れたりせずに、私はきっと帰ってみせる」
私の唇と顕如の唇が、が触れそうなほど近づいて止まる