第23章 最後の戦い
「お加減はいかがですか?どこか痛むところは?」
陽がすっかり落ちた頃、私はみんなの帰りを待ちながら負傷した兵たちを診て回っていた
この戦ももう終わる。早く戻ってちゃんとした手当てを受けさせてあげたいな
そして、家族のもとへ返してあげたい…
家族のもとへ帰してあげられなかった、あの少年兵のことを思い出していると
「乃々様!深傷を負って歩けない者がいるのですが…」
一人の兵が慌てたように私に駆け寄ってきた
「どこですか?案内してください!!」
みんなが優勢に戦いを進めているとはいえ、それでも怪我人は運ばれてきていた
手早く、応急処置の道具を持つと兵に案内されて天幕を出る
歩けないほどだから、重傷かもしれない…