第23章 最後の戦い
「こうして、貴様と戦場で共闘するなど、奇妙な巡り合わせもあったものだ」
信長の言葉に信玄も苦笑しながら答える
「まったくだ。今もうっかりすると、俺の愛刀がお前の首を狙いそうだ」
「その時は、返り討ちにしてくれる」
平然と言い返し、信長はふと唇に笑みを浮かべた。
「これも、あの女の力なのかもしれんな。いかに、顕如と三つ巴になろうとも、乃々の存在が俺たちの間になければ……この和睦は実現しなかっただろう」
「不思議な事じゃない。歴史を変えるのはとびっきりの美女と、昔から相場が決まってる」
信玄は信長に同意し、襲い来る敵に向かい、ふたり同時に白刃を閃かせた。
あっという間に、戦は織田軍と武田・上杉軍の勝利に終わった。