第22章 裏切りと同盟
「悔しいところではあるが顕如が裏切る前、戦を有利に運んでたのはお前たちだ。だが、顕如との三つ巴になった今、武田が有利のまま戦えるとは限らん。だからこそ、今すぐに交渉すれば武田に有利な条件で和睦できると踏んだか」
ふっ…と口元を緩ませ、やれやれと言わんばかりの信長様
「それが読めたところでどうなる。お前なら、現時点で最も合理的な答えを出すはずだ」
……今、すごく高度な駆け引きが行われてる気がする。信玄様も信長様も、まるで互いの思惑が全部見えてるみたいだ。長年戦ってきた相手だからこそ、手の内がわかってるのかもしれない…
静かな火花が散っているようなふたりのやりとりに、はらはらしてると
「良いだろう。貴様の条件、受けてやる」