第21章 二人の想いは一つに
「君は500年後の平和な時代で生きるんだ」
その言葉に顔を上げると、そこにあるのは優しくて悲しくて…儚い瞳
「…私が…信玄様と…同じ時間を生きることも…許されないんですか…?」
もう溢れた涙をとめる事はできなかった
次から次へと頬を流れ落ちてゆく
微笑んだ信玄様が近づいて、私の頰を伝う涙を拭う
その手は暖かくて…
「500年後に行けない俺は、ここで君をずっと守ることはできない…
最後は…君を置いて逝くことになる
それなら…平和な時代でどうか笑っていてほしい。」
あぁ…この人はこういう人だ
自分を犠牲にしても相手を想いやる
だから私はこの人がすきなんだ
愛しい…って…
愛してる…って…
こういう気持ちのことを言うのかな…
どうして…
出会ってしまったんだろう
どうして…
この時代に来てしまったんだろう
どうして…
運命はこんなにも残酷なんだろう…
どうして…
どうして…
ハッピーエンドじゃないんだろう…
安い歌の歌詞のような思いに心が軋む