第19章 真実
「君なら…そう言うと思ったよ。俺も君と信玄様はもう一度、会った方がいいと思う。
保障はできないけど、君を信玄様のところへ連れて行けるよう、努力する」
頭を下げたままの私に、優しく答えてくれる佐助くんに
「佐助くん…ありがとう…無理なお願いしてごめんね…」
精一杯の感謝を伝え、信玄様から貰った櫛を握りしめた
「乃々さん、俺が行くまで戦中くれぐれも気をつけてね」
「うん。佐助くんも怪我しないよう気をつけてね」
互いの無事を誓い合い、佐助くんは来た時と同じように、静かに去っていった。
もし…もしも…本当に信玄様が私と同じ気持ちだったら…
私は自分の中に見出した、一筋の希望の光に想いを巡らせていた