第19章 真実
「乃々が甲斐の虎に戦場へ連れて行かれた時–––強引に攻め込もうとした俺に、乃々の安全を思って噛みついたのは、どこの誰だ」
「それは……」
え…
「それ、本当?」
家康は眉を寄せて、素っ気なく答える。
「信玄相手には、いくら慎重になっても足りないと思っただけ」
…家康
「乃々様を思って政宗様を止めるとは…家康様は、やはり素晴らしい方ですね」
キラキラした目で家康を見つめる三成くん
「三成、その目でじろじろ見ないでくれる」
家康は心底うんざりしたように毒づく
この雰囲気…変わらない
改めて、安土に帰ってきたことを実感するなぁ
「騒がしい奴らだ」
みんなのやりとりを悠然と上座で見守っていた信長様が、唇の端を吊り上げる。
「貴様ら、乃々に少しは喋らせてやれ」
「あ、はい」
急に自分に話を振られて、私はしどろもどろにみんなに向かい、口を開く。
「私をもう一回迎え入れてくれて、ありがとうございます……」
色々ありすぎて、複雑な心境だけど…
戻ってこれる場所があることに感謝しないと…