第19章 真実
「乃々。越後ではどう暮らしてた?!
まさか、あの女好きに手籠にされてないだろうな?」
秀吉さんが酷く動揺したように聞く
「え…?あ、いや。大丈夫です。戦には連れて行かれましたけど…
皆さん親切にしてくれました。」
身体は大丈夫だけど…
気持ちは…
「…そうか。甲斐の虎の罪が少し軽くなったな」
ほっとしたようだけど、秀吉さんの目がギラついてるのが分かる
「秀吉の奴はな、お前が向こうで乱暴されていないか、心配で仕方なかったんだ」
そんな秀吉さんを面白そうに見て、光秀さんが教えてくれた
秀吉さん…そんな心配してくれてたんだ…
それなのに…私…
そんな心配してくれていたのに、春日山にいたいと思った自分に罪悪感を覚える
「当たり前だ。女を人質にするなんざ、許せねえ」
憤る秀吉さんの隣で、三成くんが微笑みを浮かべる。
「さらわれたことがわかっても、すぐに助けに行けず、申し訳ありませんでした。乃々様がご無事で戻って来られて、とても嬉しいです」
あぁ…三成くんの笑顔……久しぶり……
三成くんの相変わらずな、天使の微笑みに安心する
「そうだな。それを踏まえ、あいつらのことは全殺しで勘弁してやってもいい」
「ぜ、全殺し!?」
秀吉さんの物騒な言葉にゾッとしてると
「全然、勘弁してないじゃないですか」
冷めた顔でやりとりを聞いていた家康が、呆れたようにため息をついた。