第16章 重なる想い
次の日の夜
春日山城は佐助くんが提案した宴が開かれた
私は、佐助くんと幸村の卓に座らせてもらう
最初に宴に参加させてもらった時も思ったけど…
みんな仲が良さそうなんだよね
楽しげにお酒を酌み交わす両軍の家臣たちを眺める。
「乃々さん、相変わらずうるさくて、ごめん」
佐助くんが苦笑いして、私の盃にお酒を注いでくれる
「ううん。みんな楽しそうで、何だか安心する。
謙信様が前に、信玄様と五度に渡って戦いを繰り広げたって言ってたけど、今、上杉軍と武田軍の家臣たちは仲が悪くないんだね」
「ああ。上に立つ謙信様と信玄様自体の仲が良いからかもしれないな」
佐助くんも目を細めて、隣同士で飲んでいる信玄様と謙信様を見つめる