第9章 城下町の友達
「弓は初心者でしょうか?」
「あっいえ、経験者です…」
「では、少しお手並み拝見してもよろしいでしょうか?どの弓が良いかみたいので」
(初心者用とかレベルをみるためだよね)
「はっはい」
私は袴に着替えると道場に向かった。
「では、よろしくお願いします。」
「はい」
私は落ち着いて一呼吸おくと弓をひいた。
矢は的の丁度真ん中にあたった。
「すげーうまいな…弥生…」
「はい、どこで習ったんですか…?」
「いや、えっと…」
「ぜひ、私に教えてくださいませんか!?」
ーへっ?
「別にいいですけど…」
「ありがとうございます!私は環杞(たまき)と申します。これからよろしくお願いします、ご師匠様!」
「やっやめて下さい、師匠なんて。もし良ければ私と友達になって下さいませんか?」
「もちろんです!」
「私の名前は弥生と申します。敬語もやめて下さいな。」
「わかったよ!じゃあ、弥生も敬語やめてね」
「うん!」
やった~!友達ができたぞ~!
「あの~、俺の存在忘れてね?」
「「忘れてた!」」