第8章 信頼できる人
その後、私たちはお城に戻った。
幸村はしっかり私の話を聞いてくれた。
(出会ったばかりだけれど、幸村は信用できる)
幸村のおかげで信玄様とも仲良くなれた。相変わらず謙信様とは打ち解けてないけど…
また、幸村と打ち解けて性格が明るくなってきたからか、女中さんとも話せるようになった。
「弥生、ちょっと来い!」
「何、幸村?」
「いいから、来い」
「う、うん」
連れてこられたのは、書庫だった。
「前に。本が好きって言ってただろ」
(!覚えていてくれたんだ!)
「ありがとう、幸村!」
「でもお前字読めるのか?佐助の時は少してこずっていたけど」
「うーん、少しなら読めるけど全部は無理かな~」
「どうするんだよ」
「佐助さんに翻訳してもらおうかな」
「わかんないところあったら俺に聞け!少しは読んでやる」
「いいの!?」
(やった~!これでまた幸村に会える!)
(あれ、なんで幸村に会えるなんて思ってるんだ…?)