第31章 矢文
(あぁ~、俺はなんてこと言っちまったんだ…)
お城に戻って考えていた。
弥生にあんなことを言いたかったわけではない。ただ、帰ってしまうことを考えていたら、思っても、ないことを言ってしまった。
(どうするか…、謝りに行くしか無いな…そろそろ帰ってきてんだろ)
そう思い部屋を出ようとした時…
「幸!大変だ!」
そう言って信玄様が走ってきた。
「なんですか、そんなに慌てて」
(弥生に会いに行かなきゃ行けねーのに)
「今、城に矢文が届いた。それがこれだ」
そう言われて矢文を渡された。文を読んでみると
(なんだ、これ…)
「信玄様!これは本当ですか!?」
「ああ、まさかとは思ったんだがこなえだ夏祭りの時にそいつを見かけた、気のせいだと思ったんだが…」