第9章 あわあわ
ーーーー···
ザザア····
(会いに来たよ)
崖の先に立ち止まり、両手に抱えた"青い薔薇"
波は穏やか
「あの嵐の夜、助けてくれたのは君なんだろ?」
バサッ····
青い薔薇が宙を舞う
ゆっくり
ゆっくり
「····人魚姫」
(····また)
「····ーー」
ーーー···
ふっ
「····会いたいな」
目を覚ます。
寝ていたみたいだ
「···あっ」
隣に天音が寝ている。
(·····ずっと隣で寝ていてくれていたんだ)
夜が怖い時に一緒に寝てくれる
(青い薔薇···青い目···。まるで··天音は人魚姫みてぇだな)
ぎゅっ。
「····やっと、会えた。やっと話せた」
俺は
人魚姫だ
❦ℯꫛᎴ❧