第13章 シャッフル
ふむ
(太宰だな)
「犬に噛まれたなら早めに治療しろよ」
「はい。ありがとうございます」
「天音」
「··太宰」
「お疲れ様です、太宰さん」
「織田作と何の話していたの?」
「それは··」
「犬の話だ、ここいらで犬の触り放題の場所があると見かけてな。だから天音を誘ってみた」
「ふーん。で··天音の返事は?」
「仕事がたくさん入ってまして今回は丁寧にお断りしました。ごめんなさい織田作さん」
「きにするな。落ち着いた時にまた誘う··またな」
コッコッコッ
(犬···か)
ぐいっ
「きゃっ!」
「ほんとに誘われていたのかい?」
「はい。ほんとに··」
「···天音は何も知らなくていいよ」
「?」
(分かってるよ。私のヤキモチだって)
あー
醜い嫉妬
私よりちょっとだけ大きくて、
私より小さくて