刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
担当者も流石に部屋までは覗きには来ないので唯一羽を伸ばせる場所だ。
刀剣達も自室が一番落ち着く、と言っていた。
それもこれも刀剣達の為であり、この本丸の為の監査なのだから仕方がない。
ここがブラック本丸なら、この監査は刀剣達にとって何よりも代えがたい希望になる。この間にも苦しんでいる刀剣がいるなら早く救われて欲しい、と願うばかりだ。
「いただきます」
「いただきまーす」
政府の人がこの本丸に寝泊まりするようになって、3日が経った。
ご飯を食べるときも一緒なので、最初の頃はなんとなく空気がギクシャクしていて、政府職員に対して殺気すら放っている刀剣もいたくらいだけれど、今となっては普通に談笑しながら食事を取る光景を見られるようになった。
それどころか、新米くんがこの本丸に溶け込んでいる。新米くんの横にいる年配は相変わらず浮いている存在だが、それは自業自得だろう。
「新米さんは、いつから政府の犬になったんだ?」
「あ、僕は5ヶ月前っスね…覚えることが多くて先輩に迷惑掛けっぱなしっス。監査もこの本丸が初めてで圧倒されるばかりで…」
「アンタ見るからに鈍臭そうだからねぇ」
「へへ…その通りなんスよ」