Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》
第3章 サプライズする方
『あぁ…!頂いたものをそんな放り投げては…。リヴァイさん、このロゴって有名なブランドの時計ですよね』
『らしいな…。こんな眩しい装飾の時計は俺の趣味じゃねぇ。捨てて帰るか…』
箱の中身を見なくても分かる。
貴族が好んでいるブランドは会話のひとつとして頭にに入れてある。
そのうちのトップブランドであった。
『駄目ですよ!!』
『はっ?』
フユはプレゼントを拾うと、グッとリヴァイの胸に当てて眉を寄せる。
『リヴァイさんの誕生日プレゼントって言ってましたよ?気持ちのこもったものをそんな風にしないでください!………あっ、出しゃばったことをすみません。せめて、どなたかに差し上げてください』
思わず両手でリヴァイは受け取る。
店のことをあんな風に言われていたのに、どこまでも優しいやつだとリヴァイは溜息をついた。
『いや、そうだな…これは俺が悪りぃ。最近やたら俺の真似をしてる部下がいるから、そいつにやるか』
そうしてください!と音符がポンと出そうな笑顔を浮かべる。
―――――可愛くて…やべぇ
『ところでリヴァイさん、もうすぐ誕生日なんですね。いつなんですか…?』
『あ?あぁ…12月25日だ…。面倒くせぇ行事と重なってやがる』
『クリスマス!!ロマンチックですね!』
にこにこしながら言うフユに、お前が喜ぶな…と軽く額を突く。
『じゃぁ、リヴァイさんのプレゼントはお部屋で楽しめる紅茶セットにします!』
『今言うか…。普通そういうのってサプライズとかじゃねぇのか?』
『だって…リヴァイさん、さっきの時計みたいにもしかしたら気に入らなくて、コッソリ誰かにあげるかもしれないですし。嫌なら今のうちに聞いておけば、違う物用意出来ます!』
フユが用意した物なら、同じ時計でも喜んで付けているだろうなとリヴァイは心の中で自虐的に笑った。
『そうか。俺はサプライズされるってのが似合うやつじゃねぇから、そうやって聞いてもらえるなら有難い。まぁ、サプライズする方は嫌いじゃないけどな…』
『リヴァ…んんっ!?』
ニッと口の端を上げると、片手でフユの腕を引っ張りフユを受け止めるように口付けた。