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千分の一話噺

第814章 とある女の生き方


私も一人暮らしが長くなった。
田舎から大学進学を機に上京してからずっとだ。

それなりに大きな企業に就職し、彼氏も出来て充実していた。
「結婚しよう! 」
「ごめんなさい…
まだ結婚って考えられないの…」
何人かと付き合い結婚を考えたこともあったが、結局は折り合いが合わずに別れてしまう。

周りの友達はどんどん結婚していった。
「結婚しないの?
今のうちに相手捕まえないとずっと一人よ」
「まだまだやりたいことがあるから…」
気付けば私一人が取り残された。

まるで大海原に一人で浮き輪にしがみつき漂っているように…。
それでも結婚しようという気にはならなかった。
「君にこのプロジェクトを任せようと思う」
「はい!ありがとうごさいます!」
会社では責任ある仕事を任されるようになり、会社初の女性部長にも抜擢された。
が、社内では気楽に話せる相手もなく、同期の男性社員からは腫れ物を触るように扱われた。

同期だった女友達と女子会をやった時…。
「…今のあんたはこんな感じじゃない?」
飲んでいたタピオカドリンクのカップを見せた。
中にはタピオカが一粒あるだけだ。
「たくさんいた同期はみんな飲まれて、あんた一人が残った…
まあ、出世したんだからあんたには良かったのかもね」
別に出世がしたいとは思っていなかった。
仕事が楽しかったから頑張っていただけなのに…。
「…でも、これからどうするの?
今は婚活アプリもあるけど、このまま一人じゃあ老後が心配だわ」
「…大丈夫よ
何とかなるでしょ」

幸いな事に貯金はいっぱいあるんだから。


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