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千分の一話噺

第801章 黒と赤


昨日は春本番って陽気だったのに今日は雨で肌寒い。
気温のギャップがありすぎて体調が良くない。

「…1日で10度も違うと身体がついてかないぜ」
「明日は仕事なんだ、体調管理はしっかりしとけよ
体調不良で達成出来なかったなんて洒落にならないぜ」
「お前こそ風邪なんか引くなよ
足手まといはごめんだぜ」

今日はターゲットの下見にきていた。
「どうする?ついでに予告状も貼っとくか?」
「…そうだな、警察が来るように目立つ所に貼っといてくれ」
俺達は世間を騒がせている怪盗『ロッソ&ネロ』、俺は黒崎謙《くろさきけん》、相棒が赤羽秀司《あかばしゅうじ》で、黒《ネロ》と赤《ロッソ》だ。

今回の依頼は、悪徳金貸し「国際ローン」に巻き上げられた依頼人の親の形見を取り返すこと。
国際ローンは表向き普通のローン会社だが、裏では反社会組織と結託し阿漕な商売をしていた。


俺達は事務所が入っているビルに侵入し、裏帳簿など犯罪の証拠を確認、親の形見となる名画は社長室に飾られていた。
「秀司、これなら簡単だな」
「…本番は油断するなよ」
下見は早々に終わらせて本番に備えた。


「セキュリティーは任せておけ」
凄腕ハッカーだった秀司は防犯カメラや警報を全て止めた。
「…じゃあ、行ってくるぜ」
俺は学生時代、体操やクライミングの大会で優勝するくらい身軽なんだ。
わざと警官隊に追われ、裏帳簿など犯罪の証拠をばらまきながら、社長室に立て籠った。
「これでここは終わりだ
後はこれを持って逃げるだけ…」
『謙!聞こえるか?
思ってたより風が強い
プランBに変更だ』
インカムから秀司の指示がきた。

俺は警官の制服に着替え、ドアのロックを外した。
なだれ込んできた警官隊に紛れて脱出する。
「奴は屋上だ!」
誰かが叫んだ。
警官隊が屋上に駆け上がると脱出用に準備しておいた大型ドローンが飛び立った。
人型のバルーンを付けていて、警官隊は完全に俺だと思っている。


「…依頼は完了だな」
俺達は取り戻した絵を依頼人に渡した。
テレビのニュースでは国際ローンの社長が逮捕されている映像が流れていた。


end


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