第782章 狙撃手
俺はこれでもちょっとは名の知れた狙撃手《スナイパー》だ。
狙った獲物は必ず仕留めてきた。
今日も狙撃の依頼でビルの屋上に身を潜めている。
スマホにメールが着た。
「そろそろターゲットが外に出てくる時間か…」
俺はライフルに消音器とスコープを取り付け狙撃の準備をする。
メールで届いた情報によれば、ターゲットはこのビルから見える公園に必ず現れる。
特徴はコンビニのレジ袋を頭に被っているらしい。
「…変態か?
そんなのが街中歩いてる訳ないだろ?」
それでも俺はスコープを覗き込みターゲットを捜した。
「な!?…なんだこれは!?」
俺は自分の目を疑った。
公園にはレジ袋を被った奴が何人もいたのだ。
また依頼者からメールが着た。
『すまん、今日は公園でレジ袋撲滅キャンペーンをやっていて、参加者はみんなレジ袋を被っている
ターゲットは9-5と言う超マイナーなコンビニのレジ袋だ』
「…マジか
9-5なんてコンビニ知らないぞ
…今どき9時から5時までしかやってないのか?」
それでも俺はプロだ、捜しだしてやる。
スコープの倍率を上げてレジ袋のマークを確認していく。
「…こいつも違う
…こいつも違う
…こいつも…こいつも…こいつも!」
頭がおかしくなりそうだ。
「どいつもこいつも…、全員撃ってやろうか?」
ぶちギレそうになった。
またメールが着た。
『本当にすまん
今日は奴は来ていない
また、今度依頼する』
「ふざけんなっ!!!」
俺は空に向かって乱射した。
end