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千分の一話噺

第758章 誰がための成人


正月休みが終わるとすぐに成人の日の三連休がある。

「今度の三連休、どこか行こうぜ」
こいつとは中学からの腐れ縁だ。

「その日は成人式だぜ?」
「お前、そんなかったりぃ式に出るのかよ?」
市からそんな知らせが着ていた。

「他のクラスメートに会えるぜ」
「別に会いたい奴なんかいないだろ?
それとも…初恋の女とかいるのか?」
片田舎の小さな町だ。
その気になれば誰とでも会える。

「ば~ろ~、それはお前だろ?
彩ちゃんに会えるぜ」
「うるせぇ!
今は何とも思ってないねぇよ!」
中学時代からの片思いだった。
高校もほとんどが地元の高校に進学する。

「ほんとか?
振られた後、一緒にお前の好きなチゲ鍋食べたじゃねぇか…
あん時、お前号泣してたぜ」
「そ、そんな昔のことは覚えてねぇ!」
告白したのは彼女が東京の大学に進学するからだ。

「まだ二年しか経ってないだろ?」
「…彼女だけが女じゃねぇよ」
高校卒業後、特に仲の良い奴はこいつだけだ。

20年後、30年後なら他の奴らに会うのも面白いが、まだ2年しか経ってないのに会う気にはならない。
「じゃあ、新しい女でも探しに行くか?」
「おっ、それいいね!」
俺達はナンパをしに都会に行く事にした。


end

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