• テキストサイズ

千分の一話噺

第752章 ホワイトクリスマス 


今年も異常気象は続いている。
夏が長く秋の訪れがどんどん遅くなっている。

「やっと紅葉が見頃になったな」
「そうね…、もう来週にはクリスマスなのにね」

猛暑は10月いっぱい続き、11月に入っても気温はなかなか30℃を下回らなかった。
12月になって寒気が降りてくると気温は一変し秋を通り越し冬が到来した。

「これならクリスマスも紅葉が楽しめるかもな」
「雪が積もった紅葉も良いわね」

異常気象は冬の寒さも変えた。
北日本や日本海側は連日大雪となり、関東東海から西日本の平野部でも雪が降る日が増えた。

至極短い春と秋、一年の大半が猛暑の夏と極寒の冬の極端な季節になってしまった。

「予報だと今年もホワイトクリスマスになりそうだ」
「子供の頃はホワイトクリスマスって憧れたけど、毎年じゃあ有り難みがないわね」

都内でも雪はよく降るようになった。
雪に弱かった都内も次第に雪対策が取られるようになり、雪が積もっても交通麻痺は回避されている。

「…雪が積もると仕事に行きたくないけどね」
「ソリで移動するサンタさんは仕事しやすいんじゃない?」

彼女と笑い合った。

紅葉に白い粒が舞い降りてきた。


end

/ 1580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp