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千分の一話噺

第750章 同じ穴の狢?


私には双子の姉がいる。
見た目はそっくりで両親でさえ間違うこともしばしば…。

でも、性格や好みはまるで違う。

姉は人見知りでインドア派だけど、私は社交的でアウトドア派。

私は物にあまり執着しない。
使える物はとことん使うけど、使えないと判断した物はすぐにリサイクルしてしまう。

しかし、姉は何でも取っておく。
子供の頃の服やオモチャ、ランドセルや中高の制服、使わなくなったガラケーやスマホ、元彼からのプレゼント等々…。
年代ごとに段ボールに積めてあるが、押し入れに入りきらない。

「お姉ちゃん、部屋狭くないの?
少し処分したら?」
私は断捨離を勧めた。
「…でも、思い出の品ばかりだし捨てられないわ」
「このまま増え続けたら、部屋いっぱいになっちゃうよ?」
それでも姉は処分しようとはしなかった。

そんな姉から毎年言われる事がある。
「あんた、まだその筆ペン使ってるの?」
私は今でも年賀状を手書きしている。
その時使う筆ペンはもう十年以上使っている。
「…だってこれが一番使いやすいんだもん」
他にも試したがどうしても違和感があって同じ筆ペンを使い続けている。
「もう、インク入ってないでしょ?」
「うん、墨汁使ってる」
「…それってもう筆ペンとは言えないわね
買い換えたら?」
姉は呆れ顔だ。
それでも私は買い換える気はない。

やっぱり私達は姉妹なんだなぁ。


end


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