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千分の一話噺

第748章 入れ替わりは楽じゃない


私には双子の妹がいる。
見た目はそっくりで両親でさえ間違うこともしばしば…。

でも、性格や好みはまるで違う。

私は人見知りでインドア派だけど、妹は社交的でアウトドア派。

幼稚園の頃、紙芝居を見せてくれる時間があって私はそれが大好きで一番前で見ていた。
妹は五分と我慢できず、後ろの方で踊っていた。

私は東京タワーが好きで、妹はスカイツリーが好きなんだけど、私も妹も高所恐怖症なのよね。
登って景色を見るのは大丈夫だけど、下は絶対に見れない。


学校では、勉強は私の方が成績は良いけど、妹はスポーツ万能でソフトボール部ではエースで四番だ。

「お姉ちゃん、宿題見せてよ」
「自分でやりなさいよ」
「…だって部活で忙しいんだもん」
「…少しは頭も使いなさい」
「お姉ちゃんはもっと身体動かさないと太るよ」

スタイルはほぼ同じでも筋肉の付き方が違う。
服を着てれば分からないが脱ぐとはっきり分かる。

「あんたみたいにバカ食いしないから太らないわよ」
「どうせなら、引き締まった身体の方がカッコいいよ」
「それを言うなら、難しい問題をサッと解く方がカッコいいわよ」
「…じゃあ、一週間だけ入れ替わってみる?」

妹の誘いに乗って入れ替わってみた。
学校での妹はポニーテールにしているので私がポニーテールにした。
見た目はポニーテール以外では判断出来ない。
入れ替わってる事に誰も気付かない。

妹の1日は朝練に始まり、体育の授業では頼られ、放課後の部活では活躍を期待されていた。

「あんた、毎日こんなハードな事してるの?」
「お姉ちゃんだって、毎日こんなに苦しい事してるの?」

私達は1日で入れ替わるのを止めた。


end


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