• テキストサイズ

千分の一話噺

第719章 チョコは時代を越えて…


昭和の時代にバレンタインデーは、女性から男性にチョコレートを贈る日本独自の風習が始まった。

まあ、始まりはチョコレートメーカーが仕掛けた販売促進イベントだったのは有名な話だ。
それが、義理チョコだとか、本命チョコだとか、友チョコだとか、更には自分への褒美用だとか…。
このイベントでの売れ行きは、メーカーとしてはかなり嬉しいそうだ。

バレンタインデーはこんな場所の日本人にも好評であった。


「加藤さん、良かったらこれ…」
「チョコ?マジで!」

「…私、左吉さんの事を前から…」
「お梅ちゃん、おいらも…」

「菊之介様、お慕い申し上げます」
「幸姫、こんな高価なお菓子を拙者の為に…」

「…これあげる!
勘違いしないでね!たまたまあったから…」
「うん、ありがとうね」


あの世の日本人街、現代人が始めたバレンタインデーが、時代の違う人々を巻き込んでいった。
いつしかバレンタインデーは日常になり、昔片思いしていた人や憧れていた人への告白が日常茶飯事となっていた。
もちろん、あの世には魂だけしかないのだけど…。


end


/ 1580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp