第11章 貴方は私のものですよ？❥石田三成

それから少し、時間が経ち。

私が口を開こうとしたとき、三成くんが口を開いた。

「...貴方は。私の、大切な人です。」



(え...)


「...貴方に、辛い思いをさせていたと分からなくて。私は人の心を読むのがすごく不得意なんです。」




(やっぱり、そうだったよね...)

思っていたことが当たって何故か悲しい気持ちになった。



「ですが、貴方の気持ちを理解できなかったのは、本当に、辛いです。」


(え。)


その言葉で私は顔を上げた。




三成くんが私の目をしっかり見つめて言う。



「私は貴方のことを本当に愛しています。だから。貴方の気持ちは理解したい。本気でそう思っています。」



「三成くん...」


三成君は、私のことを本当に大事にしてくれていた。その事がひしひしと伝わってくる。


その事実に嬉しくなって



「...ふふっ」


少し、笑ってしまった。


「...じゃあこれから、私が三成くんに先に思いを伝えるね？」


「いえ、私が先に言います！」


「いや、私が言うよ！」


「いえいえ、私が...」


三成君がそういった途端。何故か面白さが込み上げてきた。


そして、私と三成くんは。




「「ぷっ」」







同時に吹き出してしまった。






(なんか、幸せだなぁ。)





こうして三成くんと笑っていること。

その日々はきっと永遠に続く。


これからも理解されたくてでもされなくてなんていう日々があるかもしれないけど、三成くんと生きていくなら、それもぜんぶ思い出になるだろう。


三成くんと笑いながら私はそれを確信した。



終。