第11章 貴方は私のものですよ?❥石田三成
最近、私には悩みがある。
「華様!」
「あ、三成くん...」
私の名前を呼んで、来てくれたのは三成くんだ。
「どうしたの?」
「はい、前華様が欲しいと思っていた本をご用意できました!」
「え!そうなの?」
「はい!なのでまたお渡ししますね!」
「うん!嬉しい!」
...ここまで良いのだが。
「じゃあ、三成くん、これから私と...」
「じゃあ、私はもう部屋に戻りますね!まだ読んでいない戦術書があるんです!」
(え..)
そう。三成くんは私が誘おうとしてもなにかと理由をつけては私の前からいなくなる。
(鈍感なの...?)
私と三成くんはつい先日思いを通わせたばかりだ。
だから、少しは関係が変わるのだと思っていたのだけれど...
(なにも、変わらない、か。)
でも楽しみそうな三成くんの顔を見ると引き止めるにも引き止められなくなってしまうのが本当のところだ。
「...うん、分かった。」
私がそういうと三成くんはいつものように私の前から去っていった。