第36章 幸せなら手を叩こう❥豊臣秀吉
(あぁ...幸せだ)
今日で何回思ったか分からない台詞をまた思う。
こんなにも体全体で幸せを感じたことはあっただろうか。
隣に愛する人がいて、その人と笑っている。
そのことがどれだけの幸せを生み出すか...
俺はまだ分かっていなかったらしい。
「なあ... 華。」
ひとしきり笑い終わったあとにそっと華に話しかける。
「ん?」
華は気を許した様子で 俺に視線を向けた。
「俺はな...お前と出会って、愛するってことがどれだけ幸せなことから気づいた。」
「...!」
華が少し目を見開く。
「これまで感じられなかったこと、感じられなかった想い...全部お前が感じさせてくれた。そしてそれが....幸せって言うんだろうなって思うんだ。」
伝えたい想いを真っ直ぐに華へと届ける。
すると、
「うん、私も、だよ。」
華が頷いた。
「私も、秀吉さんと出会っていっぱいいっぱい幸せって思う瞬間が増えた。全部全部、秀吉さんが側にいてくれたからだよ。」.
「っ、華....」
華も俺と同じ気持ちだったことを知って胸が熱くなる。
最後に、そっと華は言葉を付け足した。
「だから...これからも側にいてくれる?」
上目遣いで見つめてくる華に...
また鼓動が早まっていくのを感じながら、俺はそっと返事をした。
「あぁ、当たり前だろ....
愛してる。」
すると華は花のような笑みを浮かべて。
あぁ、これさえも幸せを形作っていくんだな、と自分もしているであろうその幸せそうな笑みを見つめながら思った。
幸せなら手を叩こう
幸せなら手を叩こう
幸せなら態度で示そうよ
ほら、みんなで手を叩こう
幸せすぎる今を、もっともっと大事にする。
君といる今を、絶対に粗末にしないから。
大好きだよ、華。
終。