• テキストサイズ

Diva!【イナズマイレブンGO】

第26章 Sports festival!〈栗花落 菖蒲〉


ああ、かったるい。そう思いながらクラスTシャツの上に羽織っていたジャージを脱いだ。

「菖蒲ー!おはよー!」
『おはよう。雪音』
「やっぱクラT着たままじゃ登校しにくいよね」
『私最初制服着てきたし。流石に恥ずかしい』
「分かる。で、菖蒲の最初の試合いつ?」
『一番最初だから9時半?』
「見に行く!バドミントンでしょ?」
『うん』

バドミントンは昔スポ少でやってたからそれなりに自信はある。それなりに。

『雪音は?』
「私結構後かなぁ…。一番動き少なそうなドッジボール」
『一番動くやつでしょそれ』
「私は真っ先に外野に行くから。問題ない」
『それは強い』

成る程。考えたなぁ。私も雪音と一緒に外野やりたい。動きたくないのが本音だし。

「もうそろそろ集合時間じゃない?」
『本当だ』

マイラケットを持って体育館へと向かう。相手先輩か…怠いな。同級生ならまだ楽なんだけど。

「頑張れ!菖蒲」
『太陽。試合じゃないの?』
「だって会いに行きたいから」
『はいはい…』
「僕の試合、見にきてね」
『行くよ。ちゃんと。だから負けるとかナシ。OK?』
「大丈夫!天馬と戦うのはちょっと嫌だけど…頑張るから」
『二回目だね。天馬君と戦うの』

中学の時、太陽と一緒に見に行ったと思ったら、実は太陽が選手だったっていう衝撃の事実を知った。本当に怖かった。もう二度と太陽が目覚めなかったらどうしよう。死んじゃったら…そう怯えながら過ごした日々は半ば地獄だった。

「もう回復したから。大丈夫だよ」
『そう、だね』

知ってる。あの時も笑顔だった。だけど、何も話してくれなくて。

『頑張れ。太陽』
「菖蒲も」
『うん』

大丈夫。もう、あんな事は起きない。大丈夫。私も、太陽を信じて戦うんだ。

『お願いします』

ラブオールプレーという聴き慣れた単語を心の中で噛み締めながら、ラケットを強く握りしめた。

「菖蒲ー!頑張れー!」

雪音の声が聞こえる。サーブはこっちから。気持ちも落ち着いてるし、太陽も応援してくれてるって思ったら、何だか力が出てきた。

「ワンラブ」

一点は確実。時間が無いので、10点マッチと簡単なものではあるが、手は抜かない。最悪3回戦うことになる可能性だってある。

「セブンファイブ」

あと、3点。焦るな。広く見るんだ。教えてもらった事、ちゃんと覚えてる。
/ 354ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp