• テキストサイズ

私だってヒーローに

第9章 問題


誰か、知らない人に追いかけられて。お母さんとお父さんは私を突き飛ばして殺させた。そんな夢を見た

「…あれ、どうしたん?奏ちゃん」
「…え?」
「隈、凄いよ。顔も疲れてる感じやし…」
「…何でもない…」
あの夢を見てから、私は寝ることを恐れた。寝たくない。でも、たまに睡魔に負けて寝てしまう時がある。そんな時決まって焦凍が私をいらないと言って氷漬けにして体を割って殺してくる
「とりあえず、顔洗ってくる」
「うん…」
「あ…この前は御免ね」
友達じゃないって言ったこと。麗日は悪くないのにキツく当たってしまったこと

個性でタオルを作ると、お湯で濡らす。それを顔に当て、ゴシゴシと拭く。
もうすぐの体育祭のこと。イレイザーのこと。考えることが多すぎて思考がまとまらない。その上酷い寝不足。
『何寝不足になってんのよ』
…三月?
『ええ。別に話しかけれないってわけじゃないもの。というかあんた、自分が危ないって気づいてる?』
…どういうこと?
『睡眠不足すぎってことよ!このまま体育祭入ったりしちゃ、倒れるわよ!』
別にいいわよ。焦凍に殺されるくらいなら
『だからってねぇ…なら、轟と寝てなさいよ!』
焦凍と?
『あんたの精神状態は轟といるときだけ安定してるのよ!付き合ってるのか何なのか知らないけど、あんたが死んだら私も死ぬんだから!』
…考えとく
その後の声は全部スルーし、放課後
「で、俺に話ってなんだ寝不足」
「名前で呼んで。」
「半分野郎も呼びやがって今から何する気だよ!」
「…勝己、ううん。爆豪。貴方が付き合ってるのは私の裏人格の三月なの」
「…は?」
何言ってんだという顔。そりゃそうだよな
『私じゃ駄目なのかな』
「三月が私じゃ駄目って聞いてるよ」
「だから言ったろ!俺は、何が何でもお前のこと捨てねえって!表がどうとか知らねえが、三月!俺の前から消えたら許さねえからな!」
『…ありがとう、勝己』
「ありがとうだって、爆豪」
「ケッ」
「じゃあ、奏は俺のだから手出すなよ」
ギュッと体を引き寄せられ、顔が赤くなる。真顔で何言ってんだこの人
「あぁ?言われなくてもわかっとるわ!」
と悪態付きどこかに行った。これで問題は一つ減った
/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp