第13章 吸血鬼【ミホーク】
「やだ!!!」
私は今最大の危機に出会っている
ミホーク
「飲ませよ、城においてやっているのは俺だぞ」
「住み着いたのあんただよ!?」
ミホーク
「はやく差し出せ」
「偉そうにっ…!
誰が喜んで血なんかほいほいあげるもんか!
ペローナ助け…っていねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
吸血鬼であるこの男に、鷹の目に血を飲ませろと言われるのだ
ミホーク
「あのゴースト娘が来たところで標的はのみだ」
「なんで…」
多分あからさまに落胆っていうか気落ちして、それを見計らったミホークは理由を説明してくれた
ミホーク
「ぬしの血は香ばしい
良き香りが鼻孔を擽るのだ
味見だ」
「でも吸血鬼って…」
ミホーク
「おれは始祖だ
飲みきってカラカラにしたり、飲めば同士になどならん
現に日に当たっても痛いだけで滅びはせん」
ふん、と、言い切っては急かされる
「あーもう、わかったよ
どうしたら…」
いいの
聞こうとした矢先、押し倒された
ミホーク
「ぬしは、は大人しくしていればよい」
滅多に飲まないらしいミホークがこれだけ言うのは大分なのだろうか
鈍い痛みが走って、不思議な心地になる
「んん…」
ミホーク
「!
危うい、禁忌の味だな
飲み干すところだった」
「!!!?
もっ、もう飲ませないから!!!!」