第10章 鎮魂歌【キッド】
~♪
不思議だった
キッドは気になった
何故は鎮魂歌ばかりを聞き、弾くのか
自分も音楽鑑賞を楽しむ身としては、聞かんこともないが、彼女、の聞く曲は鎮魂歌ばかり
勿論鎮魂歌だっていい曲のひとつである
しかし何故なのか
聞こうに聞けないのだ
涙を流しているから
キッド
「…おい」
「!?驚いた…どうしたの?」
その目に溜まった涙を拭えば、ごめんなさいと謝る
謝らなくたっていいのによ
キッド
「何でないてんだ」
「なんでだろ、大切な人がいて、失う恐怖があるの」
それほどまで思えて泣かれる身にもなると
嬉しさばかりだ
たとえそれが自分による他者への洗脳だとしても