第7章 百物語【ハートの海賊団編】
古びた大きな屋敷に人が一人、番犬と住んでいた
その番犬はよく働くので、彼が泥棒や因縁相手の暗殺の手に掛かることは勿論なかった
周囲も認める優秀な番犬は、人気も高かった
そんな彼は、パーティーをすることにした
自分の番犬が自分の誕生日に子を生んだから
彼はとても可愛がったし、訓練もきっちりさせていた
パーティーには沢山の人が来た
親戚や兄弟、知り合いの金持ちだけでなく庶民も呼んで、豪華なパーティーをした
しかしそんな浮かれた彼らを狙うものも少なくないため、開始と同時に門を閉めた
そして優秀な番犬に任せた
パーティーが終わり、人々が散り散りに帰っていった後、庭へ行くと、番犬がいた
静かに何処かを見ている
その番犬は数匹いたが、全て死んで積み重なっている
いや、貫かれていて、バーベキューの肉や野菜のように
一本の槍に全ての犬が刺さっていた
そして彼は言ったのだ
御馳走だと
……………………………
シャチ
「なんかわかんねぇ、一本目はそんな怖くないって言ってたけどよ、どういうことだ?」
ペンギン
「誰かが犬を食べに来ていたんじゃないのか?」
ベポ
「(ガタガタガタ)」
「ベポ落ち着いて、熊じゃないから」
ロー
「要するに番犬を吠えさせたり訓練させたりするのは筋肉をつけて肉を引き締めうまい肉を食うためだったんだろ」
シャチ
「ヒェッ」
ロー
「子が産まれて喜んだのは単純に肉が、犬の肉が増えたからだろ」
「せいかーい」
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作者の考える怖い話です
怖くないけど
クーフーリンのお話を思い出してモチーフにして書きました