第6章 ☆Story24☆ 救世主
「っ……あ、れは……」
憲吾は音がしたほうに首を曲げた。
「っ……だ、れ?」
(銀のヘルメット……じゃなくて仮面……?)
倉庫の壁を打ち破ってきたのは黒いバイクに乗った1人の男、
銀色の仮面を被り全身黒服を着ていた。
倉庫にいる人物は全員その人物に目を向けた。
_ブォンブォンブォンブォォン…!!
バイクに乗っている仮面の男はアクセルを切ると
ゆりたちがいるパレットステージに向かってくる。
「っアイツ!
バイクでここまで来るつもりか!?」
ゆりを拘束していた男は驚きを隠せない様子で仮面の男を見た。
そして仮面の男はゆりたちがいる場所の反対側から
バイクに跨ったまま階段をあっという間に駆け上がった。
「「「っ……」」」
「……。」
班田以外の人物は驚きを隠せない様子で
仮面の男を漠然としながら立ち尽くした。
下にいる吾郎は大きく口を開けた状態で固まり……
「っ……アイツ、何者な_ゴキッ!…い、
久々に……ぁご……外れた……」←
久々に顎の関節を外した吾郎は
大人しく上にいる人物たちを見守ることにした。
そしてパレットステージに上がってきた仮面の男はバイクから降り……
「おめぇ……何者ナニモンだ……」
班田は眼を飛ばしながら仮面の男を見た。
『意味のない暴力は悲しみしか生まない。』
「あ?」
「っ……て、てめぇ何なんだよ!!」
ゆりを拘束している男は
少し怯えながらも仮面の男に向かって叫んだ。
『……仮面ティーチャー、』
「仮面、ティーチャーだ……?」
「っ……」
(仮面ティーチャー……この仮面の男は一体……)
憲吾うっすらと目を開けながら仮面ティーチャーを見た。
「っ……仮面、ティーチャー……?」
ゆりも驚きを隠せない様子で仮面ティーチャーを見つめた。
『……2人を解放しろ。
これ以上意味のない暴力はやめるんだ。』