第6章 ☆Story24☆ 救世主
「っ……それでも、俺はお前を助けたい。」
憲吾は一瞬眉間にシワを寄せたが、
すぐゆりに目を向けはっきりと呟いた。
「っ……」
ゆりは涙を溢れさせながら憲吾を見ていた。
「ふんっ……それでナイト気取りか……
面白くねぇ……やれ。」
「「おおっ!」」
班田は顎をクイっとさせながら部下たちに指示を出した。
「っ……」
「「っ憲吾!!」」
「……憲吾を潰せ。」
班田の指示のもと城国の不良たちは憲吾目掛けて襲いにかかる。
「っ憲吾!!俺も加勢するぞ!!」
憲吾より後ろの方にいた吾郎は憲吾のもとに走り背中を合わせた。
「こんな雑魚共、お前一人で十分かもしれねぇけど……頭は班田だ……
さっさと蹴りつけて、ゆりちゃんを取り戻すぞ。」
「あぁ……また顎外すなよ。」
「ふっ……ゆりちゃんが見てるこんな大見せ場で、
そんなヘマするかよ(微笑)」
お互い背を合わせ拳を構える2人、
ゆりは息を飲みながら2人を見守っていた。
「っ憲吾……内山さん……」
(私のせいで……私のせいで2人が……)
「ふっ……お前は、精々あの2人を見とくんだな。」
「っ……」
そして憲吾と吾郎、城国の不良たちとの乱闘が始まった。
「っおら!!」_ドガッ!
「っ!」_ドゴッ!
特に苦戦することもなく次々と相手を投げ飛ばしていく憲吾と吾郎。
5分も経たないうちにほぼほぼ相手を倒し残ったのは
金狼含む6人の不良となった。
「スポーツマンになって、喧嘩の実力はだいぶ落ちたと思ったが……
さほど衰えてはいないようだな……」
「はん!
こっちは毎日神部先生の指導の元ハードな特訓してんだよ。
これくらいで鈍るかよ。」
「今度はそう簡単にはいかせねぇよ……うぅぅぅ……」
金狼は体を前に屈ませながら唸り声のような声をあげた。
「っなんだ……」
「っまさか、こいつも……」
「うぅぅぅ……ウガアァァァッ!!」
「「ガアァァァァッ!!」」
「「っ!!」」
「っあれは……
覇気……?」