第15章 ☆Story33☆　決着

そしてMiss Youは最後の盛り上がり部分までにやってきた。
ゆりはただひたすらに憲吾を想いながら歌い続ける……。


【あなたの香りも声も優しさも　この部屋に残る全てが愛しくて
忘れ物を今でも探している　I'll miss you もっと I'll miss you
失くしたのに もういないのに】


私……今大事なステージに立っているのに
貴方のことばかり考えてしまう……
それほどに私は貴方に夢中なの……失くしたくないの。


……憲吾、


【あなたに、あなたに伝えたい言葉があるの
最後までずっと言えずにいた】


本当はこの場で貴方に伝えたい。

私が本当に心から大好きって思える人は、貴方だけだって伝えたい。
誰より貴方の側に居たい……貴方が好きだから……。


【誰より、誰より あなたのそばにいたい
今でも、誰よりも強く　愛しているの】


憲吾のこと、誰よりも大好きだよ。
これから先も……ずっと憲吾と居たいよ……。



ゆりは最後まで歌い上げ演奏も終わると深呼吸をし立ち上がった。
そしてマイクを取り聴いてくれた観客にお礼を述べた。


「っ皆さん！最後まで聴いてくれてありがとうございました！！
これが……私が歌いたかったMiss Youです！
本当にありがとうございました！！！」


＿パチパチパチパチパチパチ！！！


ゆりは深くお辞儀をした。
その瞬間、拍手喝采が会場に響き渡ったが
ゆりはしばらく顔を上げようとしなかった。


「っ……」
（みんな、最後まで聴いてくれてありがとう……私は、
"みんなだけ" のゆりぴーにはなれないかもしれない……でも、
それでも私のことを応援してくれるなら……

私は全力でみんなの想いに応えるよ……）


そして顔をあげるゆり、会場を360度見渡しそれぞれお辞儀をした。
お辞儀を終えるとゆりはメンバーが待つ場所へ戻った。
来海達は目に涙を浮かべながら拍手しておりゆりを迎えた。


「っゆり……あの時より凄かった……！
あの時より強い気持ちが伝わってきたよ！」

「ありがとう来海……みんなも、
最後まで聴いてくれてありがとう（微笑）」

「「……（微笑）」」



『っ……』