第63章 その名はオーズ
「ゴーストのネガティブパワーをしのいだ!!」
「とんでもねェ男だ!!!」
「「「「「「「頑張れ!!!」」」」」」
「励ますな、おれを!!!」
「ぷぷ、敵に励まされてる…」
「おめェはさっさとあいつら起こせぇ!!!」
何故かウソップを見ながら涙を流すペローナ。気持ちは分からなくもないが、この光景が面白過ぎる。ウソップに怒られて床で転がってるゾロ達に駆け寄る。
「みんな、大丈夫!?立って立って、逃げよう!!」
「…なまえ、ちゃん……?何で…」
「さァ、目を醒ませてめェら!!早くナミとブルックの救出に向かえ!!!お前らじゃあ………!!お前らの力じゃああの女に敵わねェっ!!!あいつはおれが引き受けた!!!」
「…………おのれ……!!!」
膝立ちで震えてるサンジに手を伸ばす。ウソップったら、あんな啖呵切っちゃっていいのかな。ネガティブは効かないにしろ、それだけが能力だって決まったわけじゃないのに…
「何だこの頼れる感じ…」
「アイツ効かなかったのか。」
「だが周りのゾンビ共はカタづけてからゆけっ!!!そいつらにはおれは勝てねェ!!!きっと死ぬ!!!」
「ここは全部任せたぞ!!!」
「あァ!!違う!!ちょっと待て!!待ってー!!」
ウソップの静止も聞かずそのまま去っていく3人。一応待って、と言われたので律儀に残ってしまった私はウソップと顔を見合わせる。
「………よぉし!!よく残った!!後ろのゾンビ共は譲ってやるよ!!」
「いやいらないかな……」
「お願いします、倒してください!!」
「“ネガティブ・ホロウズ”!!!」
偉そうに私に言うウソップに、感情なしにそう答える。するとウソップは綺麗なお辞儀を私に向けてして頼んできた。そんなに後ろのゾンビ達が怖いのか。仕方ない、と返事をしようと口を開けたとき、ペローナがウソップに不意打ちの攻撃を仕掛けた。