第56章 終焉
「おだまりっ!あんた達。私達が乗ったメリー号に、越えられなかった海はないっ!!!」
「うおー!!そうだ!!!頼むぞ航海士!!!」
「渦の軌道が読めるまで耐えて!!」
「任せろ!!」
こんなに頼もしいことはない。砲弾が来ないと思っただけでかなりこちらが有利だ。絶対絶命の危機からここまでどんでん返しできるとは思ってなかった。
『逃がすな、撃てーーーーっ!!!』
「やべェ!!!これは直撃だ!!!」
「避けきれねェ!!!」
メリー号の背後から砲弾が飛んできた。ただえさえ渦が凄くて舵がとりにくいというのに、避けるなんてできるわけない。その時、ゾロとサンジがルフィの腕と足を持って、砲弾をルフィの体で受けて跳ね返した。
「んな無茶苦茶な…」
「鬼か!!!」
「見えたわ!勝者の道…!!チョッパー!!取舵いっぱい!!九時の方角へ!!!」
波に乗れたら後は簡単だ。勝手に船を運んでくれるから。普通に船を動かすより動きが早いので、当然砲撃も当たらないわけで。
『撃て!!!撃てー!!!何しとんだおめェら!!!バカか!!?』
『渦潮の流れをつかんだ模様!!ものすごいスピードです!!!』
『畜生!!畜生あいつら…!!!「エニエス・ロビー」の全戦力をかけて、国家級戦力“バスターコール”の力をかけて!!!あんなちっぽけな海賊団から………!!女共を!!!なぜ奪えねェ!!!!』
そう長官が泣き叫んだ時、長官の体に手が咲いた。そして…みごとに骨の折れる音が響き、ロビンの華麗なる関節技が決まった。そしてメリー号はフランキーのクー・ド・ヴァンで一気に軍艦の間を飛んですり抜けた。そして…ウソップの煙幕技、超煙星を軍艦にむけて放ち私達はついに……
「………抜け出せた…」
周りにはもうあんなにいた軍艦も、海兵もいない。死ぬかもしれない戦場から、誰も欠けずに安全なところまでこれた。ホッ、と胸を撫で下ろし安心すると、今度は嬉しさが湧き上がってくる。
「なぁ、おれを特等席まで運んでくれ。」
「…えぇっと、メリーの上であってる?」
「うん。」
ルフィの要望に応えて頑張って船首へとルフィを移動させた。ルフィは満足そうに笑い、メリーを抱きしめる形でお礼を言う。