第56章 終焉
『やったぜ麦わらさ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!』
「え?」
『バ…バカお前ら、向こうまで聞こえちまうだろ!!』
『いいんだ、知らせてやるんだよ!!!』
『アニキー!!!アニキーーー!!』
『やめろ!!このまま逃げりゃおれ達は死んだ事になったのに!!』
…あまり把握してないけど、これ…フランキー一家の人達じゃない?アニキー、なんて呼ぶのはそいつらしかいないはずだし。てことは、生きてたんだ…よかった。
『おれ達ァ全員無事ですよー!!!逃走手段もあるんでこっちは大丈夫!!後で生きて会いましょう!!』
「おめーらア〜〜〜!!!バキヤロー、おべーらの心配なんざするかァバガーー!!!い〜〜!!生ぎでだあのバガ共〜〜!!生ぎでだ!!よがった〜、よがった嬉しいおうおう〜!!!」
「ああ…!!本当によかった!だがお前が死んじゃ意味ねェんじゃねェのか!?」
「ゔんゔんぞうだな、ゔん。」
男泣きを見せるフランキー。よかったね、本当に。でもこの放送のお陰で敵もみんな攻撃することもなく呆気に取られてる。今のうちに、とそっと合間をぬってルフィの元へと走っていく。しかし…
「………ルフィ?」
ルフィは横に倒れてる。敵は倒してるはずなのに、勝者であるルフィも倒れている。意識はあるみたいだ、目はぱっちり空いている。
「…………ルフィ!!!」
「………なまえ。」
やっぱり意識はしっかりしてるんだけど…体が動かないみたいだ。背中が冷たくなっていくのを感じる。早くあそこから連れ出さなきゃ…
「おい!!ルフィ!!急いでこっちへ来いよ!!逃げなきゃ助からねェんだ!!!どうしたんだよ!!もう一息だ!!ゴムゴムでこっちへ飛んで来い!!後はおれが担いでやるから!!周りは海と軍艦だらけだ!!ここにいたら殺されちまうぞ!!!」
「……ハァ…………ダメだ………体がよ…………!!ぜんぜん………動かねェ…!!!」
「……バカ言ってんじゃねェよ!!!敵は倒したんじゃねェか!!!ロビンも取り返した、後はもう帰るだけじゃねェか!!!頼む!!頑張れ!!!」
焦る私達をじっ、と見て動けないというルフィ。ルッチとの戦いが思った以上に激しくて体が限界を迎えちゃったのだろう。でもウソップの言うとおり、このままじゃ敵の思うつぼだ。