第55章 叫び
「えーーーっ!!?な…なぜお前それを知ってて消さなかった!!」
「指令が………出ませんでしたので…」
「何を!!?コノ間抜けめーーー!!!それくらいてめェで判断しやがれ!!何だよオイ…じゃあ誰か今ここへ向かってるってのか!?」
ロビンと目があった。不安そうな顔をしているけど、多分追いかけてきてくれてるのはルフィだ。なんにせよ、殺さないでくれてよかった。
「おい急げ…何を立ち止まってるんだ!!!ニコ・ロビン!!!オイ!!!この“生きてるだけで犯罪女”ァ!!!止まるなっ!!!ルッチ!!引っ張って来い!!髪の毛引っ張ったれ!!!」
「命令だ……進め…ニコ・ロビン。」
後ろから何か聞こえたのだろうか、ロビンが立ち止まってしまった。この長官、やっぱりムカつくな。女性の髪の毛引っ張るってよくそんな平気で言えるもんだな。
「ワハハハ、バカめ。あんな弱そうな海賊共に本気で希望をかけてんのか。さっきの爆音もやっぱり気のせいさ、ここへ来れるわけがねェ!!そんな夢を見てる間に我々はやがて“正義の門”の正面にそびえる“ためらいの橋”に辿り着く。今かかってる半分の橋を渡り門を開くともう半分の橋が海底よりせり上がり、ついに“正義の門”を通過する。門が再び閉ざされたが最後…もう二度とお前らが“希望”なんて気持ちを抱く事はなくなる。今日まで生きてしまった罪をお前は償い続けるんだよ!!なァニコ・ロビン!!!ワハハハ!!!」
「お言葉だけど長官。ルフィは来るよ。希望なんかじゃない、断言できる。」
「あァ!?来るっていう証拠はどこにある!?こっちにゃCP9がついてんだ。」
「CP9なんて倒してくるよ。もちろん、そこにいるルッチだって……」
む、となって言い返してしまった。こいつ絶対弱いくせしてルッチがいないと何もできないのに、口だけはいっちょ前に達者だから腹が立つ。
「うるせぇ!!異世界人がごちゃごちゃ言うんじゃねェよ!!お前は海軍本部で政府の奴らの兵器になるんだ、口答えするんじゃねェ!!」
そもそも普通に受け入れてしまってたけど、何で私が異世界人ってバレてんだろう。やっぱり青キジが関係してるのかな…それに兵器って何?私そんな強くないし、人間兵器っていうほど大層なもんじゃない。考えた時、通路からある声が響き渡った。