第4章 Y
それなのに私は
歩美が産まれてから
生活リズムの変化に
付いていくのがやっとだった
夜中の授乳や
オムツ交換
時には全然寝てくれず
自分の睡眠時間は
ほとんどなくて
気持ちが堕ちる時もあった
それになにより
涙もろくなった
しっかり者の渉に、
可愛い歩美に、
私は不釣り合いかも
と不意に思い涙が落ちる
『?』
渉がそんな私に
気付き優しい声をかける
またその声がより
涙の量を増やす
『いつも歩美の事とか
家事とかありがとね。
大変だよな
俺、の負担を減らして
やりたいんだよね。
だから俺に出来る事なら
なんでも言ってよ。
俺達夫婦だろ?』