【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第19章 過去
「フフッ…それならもう探す必要はないわね。」
『え?』
店主の女の人とご老人は見合ってにっこりと微笑むと、こちらを見てまた2人にしてにっこりと微笑んだ。
「おほん…失礼。私をお探しのようだが…何か御用かな?お嬢さん。」
『え? まさか…』
「私がレイリーだ。ここではレイさんと呼んでおくれ。それで、君は…黒髪…もしかしてアマンダの娘かな?いやそれともキャサリン、いな、アリアンダかな?」
レイリーは私の顔をマジマジと見ると思い出すように名前をつらつらと並べていった。
「なら、レイさんったら。彼女困ってるわよ?ポートガス・D・アンちゃん?」
「ポートガス…そうか。君が…」
レイリーは何かを察したように、目を細め立ち上がった。私は身体中に温もりを感じた。抱きつかれているとわかるのに時間はかからなかった。
『え? あの…』
「ロジャーの娘だろう? 無事に生まれてよかった。」
少し肩が濡れているような気がする。泣いているのだろうか。
「私は少し買い出しに行ってくるから、レイさんあとよろしくね。
あー、冷蔵庫の物は食べておいてもいいからね。」
店主の女は気を利かせたのか、財布と袋を持ち買い出しに出かけていった。
「取り乱してすまない。ロジャーが死んでから海賊王の子供探しが始まったと聞いて心配していたんだよ。ルージュは風の噂で亡くなったと聞いている。辛かったね。」
『…お母さんもご存知なんですか…でも…会ったことないんです。私たちが生まれてすぐに亡くなったと聞いてます。』
「そうか…。ん?私たち?」
『私…双子なんです。男女であんまり似てないので気付かれないんですけど。』
「ロ、ロジャーのやつ…夢を叶えておったか。」
『夢?』
ーおい、レイリー!聞いてんのか!!
ーあぁ、聞いてる聞いてる。で、なんだ?
ーおい、全然聞いてねェじゃねえか!!だからよ、俺子供ができたんだってよ!!
ーへー、それはそれは…
ー性別はわかんねェけどよ!!俺の血が流れるんだ!両方うまれてくりゃいいのになァ!!
ーそんなことは万が一の確率でしかねェな!!
ーだな!!だっはっはっはっは!!!
若く、楽しかった頃の記憶を話してもらった。お父さんはどことなくシャンクスを思わせるような話し方だった。
「それは…あいつが似せてるんだ。大好きだったからな」