【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第23章 配属先
昨日は宴もそこそこに切り上げて、部屋に戻った。久しぶりに会ったエースとは話が弾み(主にルフィの話)、そのまま寝てしまったようだ。
『ん…あつ…なに。』
目の前に広がる肌色の景色、頭の上から聞こえる寝息。身体を包んでいる体温は子供体温のようにも感じた。
『…エース…?』
そういえばそのまま寝てしまったと言うことを思い出し、一緒になるのはいつぶりなんだろうかとまた考えをよぎらせていたところ、コンコンとなる扉の音に現実に戻ってきた。
「おーい、起きてるかよい?」
『ん、あ、おはようございます。ちょっと待って。エース…起きて! 邪魔、ねぇ!』
「ん? なんか今聞こえてはいけない単語が聞こえたような…」
「俺も思ったところだよい…着替えてはねェか?開けるよい」
ガチャと扉が開く。顔面蒼白の2人…サッチさんとマルコ。んあ?と寝ぼけた声で目覚める兄…。
『おはよう、エース…あっち』
「おはよ…あっちって……あ、いやあのその」
次に蒼白になったのはエース…そして、怒りを表している2人。
「お前はここで一体なにやってんだよい」
「さすがに兄妹でもそれはいけねェよな??」
黒い笑みとはこのことを言うのだろう…。エースはそのままお兄様お二人に捕まって外に連れて行かれた。
『兄妹なんだから…何もないのにね。』
少し伸びてきた髪をとき、食堂に向かう準備した。
服は、まあいつもみたいに着て、刺青が公になった今隠す必要はないだろう…。
食堂からは賑やかな声が響き渡るのと同時に、エースに対する罵声の数々も聞こえてきていた。そんなに大事なことなのか。
『おはようございます…』
「アンッ!!ダメだよ!!こんな男に騙されたら!こいつ、きっと羊の皮をかぶった狼だからッ!!」
「そうさね…兄妹だからって油断しちゃいけねェ」
「そうだ。俺とも寝てよ!!」
『え、なんか最後のおかしくない?』
「……サッチ…よい?」
「悪い…つい本音が…ブギャッ!!」
「アンよい。ここは男所帯だ。たった1人でも気を許すと調子に乗る輩が出てくる。たとえ、それが兄妹だとしても。」
『…うん。今度からは気をつけるね』
「それでいいよい。見せ物じゃねェぞ!!早く飯食って、各々仕事に戻りやがれ!!」
「「「あい!!」」」
席に着くと、ご飯を持ってきてくれてみんなで食べた。