第4章 ウィークエンドのふたつ星
「今夜友達と飲むからさくらのことを紹介したい」と翔くんから連絡が来たのはとある金曜日の昼休みのこと。
明日は休みだし、特に予定も無かったから一も二もなくOKの返事をした。
仕事終わりに待ち合わせて、向かった先は個室のチェーン居酒屋。芸能人同士でも普通にこういう店で飲むんだ…なんて思いながら案内された席に向かうと、そこにいたのはキラキラ笑顔が眩しいイケメン二人。
「ぽ、Polaris…!?」
「あ、俺たちのこと知ってる感じ?」
「当たり前だろ、お前ら自分の知名度ちゃんとわかってんの?」
呆れたような表情を見せる翔くんの隣に座りながら、目の前の二人から視線が逸らせない。
Polaris。片岡俊一と速水祐樹の二人による、若い世代を中心に圧倒的人気を誇るアイドルデュオ。
そんな超人気アイドルが、完全プライベートで目の前にいて、私の名前を呼んで、ニコニコと笑っている…。
「え、夢…?」
「じゃないよ。こいつらが昼間話した俺の友達。お互いデビュー前からつるんでてさ」
「さくらちゃんの話は翔からよく聞いてるよ。大半が惚気だけど」
「どんだけベタ惚れなんだよってレベルだから一度会ってみたかったんだよね!」
「それは…どうも…?」
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