第7章 ざわつく気持ち《後日談》
「…泣かすんじゃねェぞ」
「はっ。それも真選組局長の命令か?」
「いや、俺一個人の頼みだ」
「あ?どう言う意味だよ」
「深い意味なんてないさ、言葉通りだ。ああ、そうだ。未来ちゃんが落ち着いたんなら帰れってトシが言ってたぞ。じゃあな」
「ちっ…」
近藤は言いたいことを言い終わると、すぐに銀時に背中を向けた
近藤になぜあんな頼み事をされないといけないのか、銀時は面倒くさそうに頭をガシガシとかいた
「なんなんだよ…」
近藤の姿が見えなくなると銀時は立ち上がり、未来へ近づいていく
「…っ、なんだよ起きてたんなら声かけろよ」
「へへへ…」
「元気になったみたいだな」
「おかげさまで…」
腕で支えながら起き上がる未来
「じゃあ俺帰るわ。これ以上長居するとあいつらうるせェし。ちゃんとゆっくりしてろよ」
未来の目線と合わせるように、銀時は未来のそばでしゃがんだ
「うん…」
「なんだ、寂しいのか?」
意地悪そうにニヤッとする銀時
「ちょっとだけ…」
「…ったく、どうしてこうも弱ってる時は素直なんだか…。まあ元気になって良かったぜ」
「ありがと、銀ちゃん…。一緒にいてくれて」
未来の頬に掌を添え、いつも以上に優しく微笑む銀時
「あたりめェだろ」
ざわつく気持ち -fin.-